[ジャニーズツッコミ道場]

月9『カインとアベル』、“山田叩き”一辺倒の批判に違和感……主演以外のおかしなところ

2016/10/26 17:20
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『カインとアベル』(フジテレビ系

今回ツッコませていただくのは、月9『カインとアベル』(フジテレビ系)を取り巻く周囲の目線。

「フジテレビ」「月9」「ジャニーズ主演」とあって、何かとバッシングされやすい状況下、内容自体は目を背けるほどひどいわけではないが、ありがちな設定や説得力のない展開のために、つい本を見たりスマホをいじったりの「ながら見」になってしまう、引きの弱い作品となっている。


 放送開始前から危惧されていた「主演・山田涼介がサラリーマンに見えない」点は、「チャラリーマン」設定のせいもあり、悪い方の予想通りになっている面はある。また、兄役・桐谷健太とヒロイン・倉科カナをめぐり、三角関係になる設定も、倉科と山田が「姉弟にしか見えないのではないか」という危惧も、残念ながら予想通り。

 何をやってもダメな主人公が、仕事で困難にぶち当たるたび、一生懸命さ・健気さ・不思議な力(?)で乗り越えるという展開は、悪いときの「朝ドラ」のようなイージーさがある。また、オープニングの大仰さは、思わず吹き出しそうになるおかしさだ。

とはいえ、不思議なのは、このドラマを取り上げるレビュー記事等が「山田叩き」「ジャニーズ叩き」一辺倒になっている点である。

 ジャニーズをバッシングすればPVが稼げるというもくろみはわかる。しかし、「脇にはいい役者を揃えているのに」とか「脇役は豪華なのに主役が」という、判で押したような論調には、どうにも違和感を覚えてならない。ときには「本当にドラマ、見た?」と聞きたくなるほど、論調が「結論(ジャニ叩き)」ありきになっているからだ。

なぜなら、色眼鏡ナシに『カインとアベル』を見たとき、まず引っかかってくるのは、「チャラリーマン山田が、サラリーマンに見えない」ことと同時に「兄役の桐谷健太が、どう見ても、エリートには見えない」ことだろうから。

山田の場合、「見た目がサラリーマンじゃない」一方で、演技は悪くないのに対して、桐谷の場合は、見た目はともかく、演技がエリートじゃない。父親と話しているときも、仕事相手と電話しているときも、エリート感が乏しすぎて、ちょっとコントのように見えてしまう。むしろ「兄弟の出来の良い方・悪い方は逆が良かったのではないか」と思うくらいである。

同じジャニドラマでも、嵐・二宮和也と関ジャニ∞・錦戸亮が出ていた『流星の絆』(TBS系)で「プライドが高くてナルシストな上司・高山」を演じたときの桐谷は、ステキにアホっぽくて素晴らしかったのに。

さらに、桐谷の英語とともに、優・隆一の伯母役・南果歩の英語が、インパクト大で、かなり面白い。コントにしか見えない。

しかし、その南も、同じジャニドラマで嵐・相葉雅紀主演の『ようこそ、わが家へ』(フジテレビ系)では、明るくオトボケで浮世離れした感じの母親をキュートに演じていた。演技のテイストは周囲から浮いているのに、浮いている具合がちょうど役柄に合っていて、巧みなキャスティングだったのだと、あらためて思う。

また、どんな怪演を見せてくれるのか最も期待された父親役の高嶋政伸が、放送開始前の触れ込みほど「弟に冷たく」なく、ひどくも怖くもなく、中途半端なのも気になる。しかし、いろいろ気になる点がある作品ながら、どの記事も結論は「山田叩き」「ジャニ叩き」になる。おそらく見る前から結論ありきで、そこに至るまでの文字数を粗筋やネットのネガティブコメントで埋める構成にしているのだろう。

つくづくこのご時世、ジャニーズが月9主演をやるのは大変だと思う。とはいえ、どう見てもエリートじゃない桐谷は、第3話から転落・変身を見せてきそうだし、桐谷と南のおもしろ英語にも何か理由があるのかもしれないし、高嶋の怪演が発揮されるのはこれからなのかもしれないし、まだこのドラマは何も始まっていない段階なのだと信じたい。
(田幸和歌子)

最終更新:2016/10/26 17:20

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